TEL.0493-67-0040〒355-0364埼玉県比企郡ときがわ町西平386

都幾山 慈光寺について|ご本尊や縁起・由来、年表、概要など

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縁起・由来について

縁起・由来について

九十六世信海が書きました寺伝『都幾山慈光寺実録』によりますと、天武天皇の2年(673年)癸酉、僧慈訓が当山に登り慈光老翁の委嘱を受け、千手観音堂を建て、観音霊場として開基しました。
その頃、役小角が伊豆の国に配流となり、関東を歴遊して当山に至り、西蔵坊を設け修験道場としました。

奈良時代になりまして、唐より波濤を越えて来朝しました鑑真和上の高弟、釈 道忠によって、慈光寺は創建されました。道忠は、仏法を広めるため東国を巡錫しましたが、徳望あつく利生に努めましたので、民衆より広恵菩薩と敬称されました。道忠は、当山に仏像を建て、一尺六丈の釈迦如来像を安置し、一山学生修学の大講堂としました。

平安時代になりますと、伝教大師最澄が比叡山に天台宗を開教しましたが、その折には道忠教団によって2000余巻の経典が奉納されたと『叡山大師伝』に記されております。

桓武天皇の延暦2年(783年)、伝教大師により天台密教の教旨が当山に弘通されました。その後は、台密の教法を修学する学徒と役小角の流れをくむ行徒二派が修行する女人禁制の道場として、また千手観音の霊場として栄えました。特に清和天皇には、天台別院として「一乗法華院」の勅額を賜りました。

貞観13年(871年)には上野国大目安部小水麻呂(こうずけのくにだいさかんあべのおみずまろ)が、「大般若経」600巻を書写し、当山に奉納しました。これは、筆跡優れた古写経として、国の重要文化財に指定されて現存しております。

縁起・由来について

鎌倉幕府を開いた源頼朝は、当寺に崇敬の念あつく、文治5年(1189年)奥州の藤原泰衡追討に際し、戦勝祈願のため愛染明王像を当山に贈りました。また、寺領として1200町歩を寄進した建久2年(1191年)の源頼朝寄進状が、今に残っています。このためでしょうか、華麗優婉な装飾経として有名な国宝「慈光寺経」がもたらされて伝来しております。これは、後鳥羽上皇を筆頭とする藤原兼実一門が結縁のため書写した「法華経」の一品経であります。

建久8年には、臨済宗の祖・栄西禅師の高弟栄朝禅師が参りまして、当山に臨済宗の霊山院を創建し、禅道場が開かれました。この頃が慈光寺の全盛でありまして七十五坊が甍を連ね、壮大な寺院群は、輪奐の美を誇ったといわれております。今残る慈光坂の丈余の板碑群は、その頃の栄華をしのぶものです。

戦国の時世では、当山も僧兵を傭し、近隣の城主との抗争に明け暮れましたが、それも太田道灌らによって焼き討ちの憂き目にあい、栄華を誇った寺院も衰運をたどることになりました。

江戸幕府の世となりまして、寺領百石が与えられましたが、とりわけ、3代将軍家光の室桂昌院の信仰があつく、奉納された貴重な品々を今に見ております。

昔は慈光寺がこの地方の政治・経済・文化の中核をなしておりまして、その伝統や技術が、今尚盛んな、ときがわ町の建具や、小川の手漉き和紙、そして狭山茶の産業として息づいているのであります。

今日、慈光寺は、比企山中の木立深き、静かな寺として、阪東三十三観音霊場第九番札所の巡礼を迎え、また週末には、マイカーの現代の人々が来山して憩う日々であります。

合掌

十一面千手千眼観世音菩薩像

本尊
十一面千手千眼観世音菩薩像

釈 道忠

開山創建
釈 道忠

概要

名称 慈光寺
所在地 〒355-0364 埼玉県比企郡ときがわ町西平386
TEL 0493-67-0040
納経受付時間 9:00~11:50(12:00~13:00昼休み)
13:00~16:00
宝物殿 9:00~16:00
定休日 年中無休

アクセス詳細はこちら

年表

西暦 時代 年月 名称 摘要
673年
(皇紀1333年)
飛鳥 天武帝白鳳2年葵酉 開基 古来の寺伝。年号と干支は「日本書紀」の年表に拠る
824年~833年 平安 天長年間 多羅葉樹 植樹
(タラヨウジュ)
慈覚大師円仁(794年~864年)のお手植え
871年 平安 貞観13年3月3日 大般若経 152巻現存 国の重要文化財
1189年 鎌倉 文治5年6月29日 祈願状 頼朝が奥州藤原泰衝の討伐のため
1245年 鎌倉 寛元3年5月18日 大梵鐘 大工物部重光は10年後の建長7年に鎌倉建長寺へ「大和権守」の称号で鐘を鋳造した
1270年 鎌倉 文永7年11月20日 法華経 国宝
1296年 鎌倉 永仁3年10月 文殊像 仏師光慶の作
1284年~1464年 鎌倉~室町 弘安7年~寛正5年 青石塔婆 秩父地方より産出の緑泥片岩で作った塔婆。180年の年代差がある
1303年 鎌倉 徳治2年丁未 密教法具 国の重要文化財
1556年 室町 天文25年2月6日 開山宝塔 国の重要文化財
1642年 江戸 寛永19年9月24日 朱印状 3代将軍徳川家光公
1648年 江戸 慶安元年子極月20日 寺の掟書 寺の決まりで29の僧坊を記載
1695年 江戸 元禄8年4月佛誕生日 釈迦堂再建 棟札に番匠村(現在のときがわ町番匠)棟梁正木吉左衛門以下大勢
1744年 江戸 寛保4年3月24日 鐘楼改築 上記の寛元の鐘楼は秩父郡大野村小林長四郎重本(現在のときがわ町大野小林豊重氏家)の作一部を残して昭和45年4月に解体修理した
1783年 江戸 天明3年4月25日 念仏堂の鐘 武州上小用村清水武左衛門全盈(現在の比企郡鳩山村大豆戸清水一三氏の先祖)の鋳造。時の鐘として正午と夕刻についている
1786年 江戸 天明6年9月19日 申八梵王石仏
1796年 江戸 寛政8歳孟冬吉祥日 如意輪観音石仏 念仏堂浄土院跡
1810年 江戸 文化7年 観音堂再建
1964年 昭和 昭和39年5月5日 昭和補写経
1976年 昭和 昭和51年11月11日 宝物殿開館
1997年 平成 平成9年 観音堂と
本尊の修理
約200年ぶりの修理
2004年 平成 平成16年 時の鐘再建
2015年 平成 平成27年 法華経修理 約80年ぶりの修理
2019年 令和 令和元年 蔵王権現復元修復 約35年ぶりの復元

各種団体

慈光山の会

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ボランティアの皆様には大変お世話になっております。誠にありがとうございます。

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境内の整備をしていただいて大変感謝しております。

三木会
三木会
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